子牛給餌における衛生管理の重要性と健康で高生産性を発揮するようになる子牛のための洗浄と衛生に関するヒント。
汚れたコーヒーカップであれ、初乳バケットであれ、子牛用のバケツであれ、皆すぐにこう言うでしょう：
「こんなに汚れている間は、このカップからは飲みたくない！」
しかし、まさにこれが多くの農場で、日々我が子牛に起きていることです。哺乳バケットとミルクバケットが本来そうあるべきように徹底的に洗浄されることがないのはよくあります。その結果：新生子牛は、すでに非常に細菌汚染されたミルクを摂取することになります。
これは生後数日間において特に致命的です。子牛は成長と免疫力構築のため全エネルギーが必要で、あってはならない細菌との闘いにエネルギーを浪費すべきではないからです。
この記事では以下を取り上げます
なぜ子牛の衛生管理はそれほど重要なのでしょうか？
- 新生子牛は病原体に対して極めて弱いです。
- 子牛は免疫系なく生まれてきます。
- どんな細菌との接触も免疫系にとってストレスとなります。
- 細菌からの防御にエネルギーが使われるため成長に回す分が不足してしまいます。
➞ 従って、清潔さは贅沢ではなく、健康な子牛の飼養に必須の基本条件なのです！
研究によれば：細菌数は急増するのです！
サウスウェストファーレン専門大学のある研究では数年前すでに初乳がいかに急激に細菌負荷を受けるようになるかが示されました。搾乳直後の母乳は約800 KbE/mlと比較的清潔です。これが初乳収集バケットに移すと菌数は32万 KbE/mlに急増します！これは実に400倍に相当する増加率です。最終的には乳頭付き哺乳バケットで60万 KbE/mlが検出されました。初期値の約800倍に達していたことになります。
- 搾乳直後：約800 KbE/ml – 菌数は非常に少ない。
- 初乳収集バケット：最大320,000 KbE/ml – 400倍に増加！
- 輸送容器：最大3,200,000 KbE/ml – さらに10倍！
- 乳頭付き哺乳バケット：最大600,000 KbE/ml – 約800倍！
さらに悪いことには容器から大腸菌群や腸球菌が突然検出されるようになりました。細菌は乳からではなく、糞便残留物の存在を示す指標です。これは輸送容器やバケットの洗浄が不十分であることを明確に示す証です。
問題：これらの細菌は腸内の抗体（免疫グロブリン）の吸収を阻害します。さらに、抗体はこれらの細菌を殺すために消費されます。その結果、血液中に到達するIgGの量が減り、子牛の免疫力が慢性的に低下するという悪影響があります。
牛舎内における典型的な脆弱点
- 哺乳バケットと乳頭：非常に手間がかかるためしばしばざっと洗われています。
- ミルクバケット：これらは様々な種類のミルク（初乳、細胞含有乳、抗生物質含有乳）に使用されます。
- 搾乳ロボット内の分離バケット：非冷却状態で閉めずに放置されるため、細菌繁殖に理想的な環境です。
- MilkTaxi：洗浄が後回しにされたり、不完全な状態で行われたりします。
衛生状態改善のための実務的ヒント
1. 明確に定めた作業工程の策定
- 搾乳スタンドでミルクバケットの異なる色を使用する。例：
- 緑は貴重な初乳用、
- 黄色は滅菌後に給餌可能な細胞含有乳用さらに
- 赤色は捨てる抗生物質含有乳用。
2. ブラシでこすらず技術を利用する。
- 洗浄機能を使用するMilkTaxi(FlushMaster)：飲食店で使われるような洗浄ノズルでバケットを洗浄できます。しかし注意点として、洗浄液は時間が経つうちに効果が低下し、洗浄結果は最適とは言えません。
- 搾乳スタンドでCanWashを使用してミルクバケットを洗浄します。
- 乳頭とバルブ：定期的に分解し、MilkTaxiの標準洗浄プログラムで洗浄します。
- バケット洗浄機(例：EimiWash)：バケット4個と哺乳ノズルをわずか2分で洗浄可能。1時間あたり最大100個までの処理能力があります。
3. ミルクの滅菌
- ミルクの低温滅菌もまた、有効な衛生管理対策の一つです。全乳に細菌が含まれている場合、低温滅菌によってこれらを死滅させ、子牛への病原体の伝播を防ぐことができます。低温滅菌に関する詳細は、以下のリンクをご覧ください。
バケット以外にもある：従業員と畜舎の衛生管理
しかし、衛生管理は容器類で終わるものではありません。人間もまた、病原菌を子牛舎に持ち込んでいます。養鶏および養豚業界では衛生管理エアロックは既に標準装備となっています。なぜ子牛にも実施しないのでしょうか？
可能な措置：
- 靴の交換または消毒（消毒槽の設置）。
- 清潔な作業服の 着用（場合によっては子牛舎専用のオーバーオールを使用）。
- 手袋を着用する – さらに最適なのは異なる色を子牛のために使用することです：黒は搾乳用、青は子牛用。これで混乱してもすぐ見分けがつきます。
子牛小屋の適切な洗浄
最後に子牛小屋および囲いの洗浄について一言添えます。
高圧洗浄機は福音であると同時に災いでもあります。子牛舎で使用すると、床や壁の汚れが落ちるほあにも、その噴霧によって汚れを舎内全体に分散してしまうからです。
より良い洗浄ルーチンは以下の通りです：
- 子牛小屋のための専用洗浄場所が必要です！子牛小屋は畜舎内や他の子牛の隣で洗浄するのではなく、広いスペースで行うべきです。
- まず表面（床と壁）をほうきで掃ける程度に糞尿を取り除き、清掃します。
- ハウスの表面全体を洗剤で泡立てます。
- 洗剤を30分間浸漬させます。この間に、汚れ、病原菌、クリプトスポリジウムのオーシストが浮き上がります。
- 低水圧（できれば散水ホース）で泡と浮いた汚れを洗い流します。
- 最後に高圧洗浄機で残留物を落とします。この時点では、噴霧はほぼ除染されています。
- 小屋を完全に乾燥させます。これは、消毒剤が効果を発揮するのは乾いた表面のみだからです。
- その後、メーカーの推奨濃度と十分な量で消毒剤を塗布します。多くの場合、この時点では表面が再び濡れていることがあります！
現実的な期待
無菌の臨床環境は、子牛舎において現実的でも有益でもありません。適度な範囲内であれば、子牛は農場の細菌に触れる必要があります。
そこで以下の事を自問してみましょう：
- 自分ならこのミルクを飲むだろうか？
- 自分ならこのバケットから飲むだろうか？
- 自分ならこの手と靴で食卓に着くだろうか？
- 自分ならこの囲いで寝るだろうか？
全ての質問に「はい」と答えられる状態なら、あなたは正しい道を進んでいます。
今、担当者各自にとって最大の課題は、衛生管理対策を農場チーム内で実行に移すことです。なぜなら、たとえ最高の衛生管理計画も、チームの一人でもそれが守られなければ機能しないからです。
まとめ：衛生管理にはそれだけの価値がある
清潔なバケット、缶、給餌システムは、健康で高い能力を持つ子牛への投資です。
- 疾病の減少、
- 成長の促進、さらに
- より快適な作業環境。
ヒント：このテーマに関する当社のポッドキャストもぜひお聞きください：
シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州のお客様向けコンサルティング
シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州の農業従事者向けに、Holm & Laueミルク衛生会社は、母牛と子牛に関するあらゆる衛生問題についての特別コンサルティングサービスを提供しています。
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